2024年11月22日、第45回FPD Forumは京都日航プリンセスホテルにて盛況のうちに閉幕しました。本フォーラムには各分野の専門家が集結し、ディスプレイ技術および半導体産業の最新の進展と課題について議論が交わされました。

以下に、フォーラムでの主要な講演内容を紹介します。

NEP Tech. S&Sの電子パッケージング技術サポート部門に所属する西田秀行氏は、半導体パッケージング技術とディスプレイ技術の融合について講演しました。

彼は、従来のパッケージング技術がサイズ、放熱、コストの面で直面する課題を詳しく分析し、これらの課題に対応するために、先端パッケージング技術とディスプレイ技術の統合が有効であることを提案しました。特にガラス基板(Glass Core Interposer)の活用により、信号の完全性を向上させ、消費電力を削減できる点を強調しました。

この融合技術は、高性能コンピューティング(HPC)やAIチップなどの分野において特に有効であり、半導体業界にとって革新的な進展をもたらす可能性があると述べました。


日本IBM東京基礎研究所の半導体ディレクターである山道新太郎氏は、IBMの2nm技術におけるブレークスルーについて紹介しました。彼は、GAA(Gate-All-Around)ナノシート技術の採用により、従来技術と比較して45%の性能向上と75%のエネルギー効率向上を実現したことを強調しました。

また、Chiplet技術にも言及し、IBMとRapidusの協力によるスケーラブルなChipletパッケージング技術の活用が、性能のボトルネックを解決し、高性能AIコンピューティングの実現を加速すると説明しました。

さらに、IBMの最先端AIハードウェア製品であるAIU SpyreアクセラレーターおよびAIU NorthPoleチップを紹介し、これらが大規模AI推論やリアルタイム処理において持つ高い応用可能性について述べました。


第45回FPDフォーラム、技術革新と業界トレンドが一体となって成功裏に開催

東レエンジニアリング株式会社の機電事業部営業部に所属する梅田英知氏は、Micro-LEDディスプレイ技術の優位性について講演しました。特に、LEDチップを光源とする自発光ディスプレイが、高輝度・高コントラスト・低消費電力という点で優れた特性を持つことを強調しました。

また、Micro-LEDの製造プロセスにおける課題について詳しく説明し、特にレーザーマイクロリペア技術および転写技術の活用によって、生産歩留まりの向上とディスプレイ画質の改善が可能になることを紹介しました。

さらに、この技術が半導体分野で持つ応用可能性についても触れ、データ接続システムの統合により、色の均一性と転写精度が向上し、Micro-LEDディスプレイの品質が大幅に向上することを強調しました。


FICT株式会社の代表取締役社長である雨宮隆久氏は、G-ALCS(Glass All Layer Connection Structure)技術について紹介しました。この技術は、多層ガラス基板を活用して半導体パッケージの性能を向上させるものであり、特にAIおよびHPC(高性能コンピューティング)分野における応用の可能性が高いことを強調しました。

雨宮氏は、G-ALCS技術が高精度アセンブリ、低コスト製造、多機能集積といった課題の解決に貢献し、次世代半導体パッケージ技術に最適であると述べました。

さらに、技術の成熟に伴い、G-ALCSはFPD(フラットパネルディスプレイ)産業にも新たなイノベーションをもたらし、業界間の連携を促進すると指摘しました。この技術の発展により、ガラス基板の加工および生産技術の進歩が加速し、半導体およびディスプレイ業界のさらなる発展につながると強調しました。


フォーラムの最後の講演では、瑞穂証券のシニアアナリストである山本義継氏がAI専用半導体(GPU/ASIC)の急成長について分析しました。

彼は、Nvidia、AMD、Intelなどの企業がAIアプリケーションの発展を牽引していることを強調し、特にAI技術の進展に伴う高帯域幅メモリ(HBM)需要の急増が、半導体業界の第二の成長期をもたらすと指摘しました。

また、AI主導の技術革新は、高性能コンピューティング(HPC)やデータセンター分野において大きな影響を与え、市場の需要と技術開発の加速を促進すると予測しました。


会議の最後には、「半導体の安全保障、特に米中関係」をテーマにしたディスカッションが行われました。本討論会は、SMBC日興証券の特別顧問であり、東京工業大学の特任教授を務める杉田定大氏がモデレーターを担当しました。杉田氏は、過去に経済産業省中国経済産業局局長などを歴任しており、経済政策や産業戦略に精通しています。

本討論では、半導体安全保障の国際的な動向について議論が交わされ、特に米中両国の半導体分野における対立と協力の課題が焦点となりました。参加者は、地政学的リスクの影響、規制強化の動向、技術競争の加速といった重要な側面について意見を交換し、国際環境の変化に対応するための戦略と提言を提示しました。

第45回FPDフォーラム、技術革新と業界トレンドが一体となって成功裏に開催

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